誰が誰の相続人となり、またその相続分はどれほどなのか?といったようなことは、民法によって細かく画一的に定められています。これを法定相続と言います。しかし、すべての家庭事情に対してそれが妥当な結果を出せるとは限りません。そこで、遺言がこうした法定相続を遺言者の意思によって変更するものであり、その家庭の実情にあった相続財産の分配が行われることが可能になります。
法的に効力のある遺言をするとなると、その方式及び内容は法に適合したものである必要があります。遺言は、遺言者の生前の意思をその死後において実現させるものであり、とりわけ財産に関することが中心なため、遺言の存在や内容の真実性が保証されなければ争いが生じてしまいます。このような争いを防ぐため、民法は遺言の要件を厳格に定めているのです。
また、どのような遺言をするかは遺言者自身の自由が、遺留分といった制度の範囲で遺言は制限されることになります。このように、法律で定められた相続関係は、遺言によって変更することができ、その一方、遺留分などといったもので遺言も一定の範囲で制限を受けることになるのです。
※民法に定める方式に従わなければ「遺言」 としては「無効」となります。